静岡県静岡市

静岡市は静岡県中部に位置し、南は駿河湾に面し、北は赤石山脈(南アルプス)に接する自然豊かな都市です。東西に長い静岡県のほぼ中央にあり、交通の要所として発展してきました。市街地は平野部に広がり、北部には日本一の標高を誇る富士山を望むことができます。温暖な気候と豊かな水資源に恵まれ、お茶の栽培をはじめとした農業が盛んな一方、駿河湾に面した清水港は国際貿易の拠点として機能しています。
静岡市の特色

自然と文化が調和する美しい都市、静岡市には観光名所も多くあります。
三保の松原
富士山とともに世界文化遺産に登録された景勝地。約7kmにわたって松林が続き、駿河湾越しの富士山を望む絶景が特徴です。天女の羽衣伝説が残る「羽衣の松」も見どころです。
日本平夢テラス
360度のパノラマビューを楽しめる展望回廊施設。富士山、清水港、伊豆半島、南アルプスが一望できます。隈研吾建築都市設計事務所が手掛けた美しい建築物です。
清水港
観光施設「シーパラダイス」や鮮魚市場が立ち並び、多くの観光客でにぎわいます。クルーズ船の寄港や水産物の流通拠点としての役割も担い、観光と産業が共存する港湾エリアです。
久能山東照宮
徳川家康を祀る歴史的建造物。石段を登った先にある朱塗りの社殿は、日光東照宮のモデルとなったとも言われています。
きれいな水を活かした産業

お茶産業
牧之原台地を中心に広がる茶畑では、深蒸し茶の製法が発明されるなど、日本有数の茶産地として知られます。市内の茶工場では、新茶の時期に独特の香りが街中に漂います。
水産加工業
焼津港を擁する静岡市では、カツオ節や鰹削り節の生産が盛ん。桜えびやしらすの加工品は、土産物としても人気があります。
製造業
自動車部品や医療機器の生産が活発で、特に精密機器分野では中小企業の高度な技術が集積しています。清水港を活用した輸出入も多く行われています。
静岡家具
江戸時代から続く指物(さしもの)の技術を継承し、静岡市では高級家具の生産が盛んに行われています。木材の美しさと精緻な仕上がりが特徴で、和室にも洋室にもなじむ意匠性の高さが評価されています。近年では、現代的なデザインとの融合や海外輸出にも力を入れています。
雛具
ひな人形を彩る小さな道具類「雛具」は、全国の90%以上のシェアを静岡市が占めています。繊細な細工と職人の手仕事が光る伝統工芸であり、雛祭り文化を支える存在です。近年は、若手職人の育成や現代のライフスタイルに合わせたデザイン提案など、技術の継承と発展に取り組んでいます。
プラモデル
静岡市は「プラモデル発祥の地」として知られ、国内外の模型メーカーが集積する一大拠点です。完成度の高い模型やフィギュアが多数生産されており、毎年開催される「静岡ホビーショー」には多くのファンが訪れます。地元産業としてだけでなく、ものづくり教育や観光資源としても注目されています。
持続的に発展する静岡市へ

地場産業の技術継承
若手職人育成のため、伝統工芸品の制作体験ワークショップや職人学校の運営を支援。特に雛具産業ではデザインコンテストを開催し、現代的な需要への対応を図っています。
持続可能な農業の推進
茶畑のIoT管理システム導入や、茶殻を再利用した商品開発(例:茶殻入り石鹸)を通じ、環境配慮型農業を促進。有機栽培茶の認証制度も整備されています。
観光資源の再発見
「お茶のまち」としてのブランド確立に向け、茶畑景観を活用したグリーンツーリズムや、茶器を使ったフレンチなど新たな食文化を創出。歴史的建造物の夜間ライトアップも実施し、観光客の滞在時間延伸を図っています。
静岡市は、自然と文化が調和する魅力的な都市です。観光スポットや地場産業を通じて、訪れる人々に新たな体験を提供し続けています。