企業版ふるさと納税をする企業にとってのメリットとは?

企業版ふるさと納税(企業版地方創生応援税制)は、企業が地方自治体に対して寄附を行うことで、税制上の優遇措置を受けることができる制度です。この企業版ふるさと納税の制度を利用する企業にとってのメリットを紹介します。
企業版ふるさと納税(企業版地方創生応援税制)は、企業が地方自治体に対して寄附を行うことで、税制上の優遇措置を受けることができる制度です。この企業版ふるさと納税の制度を利用する企業にとってのメリットを紹介します。

企業版ふるさと納税では「経済的利益」を受けてはいけない?

企業版ふるさと納税において、寄附を行う企業が経済的利益を受けることは厳しく禁止されています。寄附の見返りとして、補助金の受け取りや有利な条件での融資、入札での優遇などの経済的利益を得ることは認められません。また、個人向けのふるさと納税と異なり、返礼品を受け取ることもできません。これらの規制は、制度の公平性と透明性を確保し、純粋な地方創生支援を目的とした寄附を促進するために設けられています。企業は、この点に十分留意して企業版ふるさと納税を活用する必要があります。
地方公共団体では、経済的な利益には該当しないものの、企業にとってはPRのチャンスになるような「ベネフィット」を用意しているところがほとんどです。
たとえば、地方公共団体の首長から感謝状を贈呈され、その様子がホームページや地元の新聞等に取り上げられたり、寄附金が活用された施設に企業名が記された「銘板」が掲載されたりすることが挙げられます。
地方公共団体によって様々な工夫があるため、ベネフィットから調べてみるというのも一つの手かもしれません。
しかし、地方公共団体が用意しているベネフィット以外にも、企業にとってのメリットは存在します。

企業版税ふるさと納税のメリット1:地域貢献とCSR(企業の社会的責任)

企業版ふるさと納税は、企業の社会的責任(CSR)を果たす効果的な手段として注目されています。この制度を通じて、企業は地域社会に直接的に貢献することができ、地域の課題解決や活性化に寄与することが可能となります。
CSRの観点から、企業は単なる利益追求だけでなく、環境保護、人権尊重、地域貢献など、社会全体の持続可能な発展に寄与することが求められており、企業版ふるさと納税は、この要求に応える有効な方法の一つです。さらに、SDGsやESG投資の重要性が高まる中、地域貢献活動は企業の評価向上にもつながり、長期的な企業価値の向上に寄与する可能性があります。
 

企業版税ふるさと納税のメリット2:地域とのネットワーク構築

さらに、企業版ふるさと納税を通じて、地方自治体や地域の企業、団体とのネットワークを構築することができます。これにより、新たなビジネスチャンスや協力関係を築くことが可能となります。
この制度を活用することで、地域の人材との交流が深まり、優秀な人材の確保や育成につながる可能性もあります。地方での事業展開を検討している企業にとっては、現地の人材を活用するための足がかりとなり、地域に根ざした事業展開を促進する機会になるかもしれません。

企業版税ふるさと納税のメリット3:税制上の優遇措置を受けることができる

企業版ふるさと納税の制度の根幹にもなりますが、企業版ふるさと納税を行うことで、企業は寄附金額の最大約9割が税額控除の対象となります。
具体的には、以下のような控除が受けられます。
  • 法人税:寄附金額の約6割が法人税から控除されます。
  • 法人住民税:寄附金額の約2割が法人住民税から控除されます。
  • 法人事業税:寄附金額の約1割が法人事業税から控除されます。
これにより、企業の実質的な負担は寄附金額の約1割となります。
それぞれの控除額には上限があるため、実質的な負担が1割になるようにするには、金額を調整する必要があります。寄附を検討する際には、事前に税理士の方などに相談しておくと安心です。
また、税の優遇効果が寄附金額の「9割」になるのは税制の特別措置であり、2025年3月までとされています(2024年6月現在)。特別措置が終了してしまうと、税の優遇効果は最大でも「6割」となってしまいます。

企業のメリットは十分!企業版ふるさと納税を検討してみては

今回は、企業版ふるさと納税のメリットをご紹介しました。「経済的な利益」を受けることは禁止されているとしても、企業にとってのメリットは多くあります。また2025年3月末までは税制優遇の特別措置がなされていることもあり、企業にとっての実質的な負担は、寄付額の約1割にまで抑えることが可能です。
自社の新しい可能性を広げるために、企業版ふるさと納税を活用してみてはいかがでしょうか。
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