自治体の担当者必見!企業版ふるさと納税を最大化するための3つのポイント〜3つの成功事例から学ぶ〜

企業版ふるさと納税は、企業が自治体の事業を選んで寄付を行うことができる制度です。企業にとっては法人税の節税につながり、地方創生へ貢献できる機会となります。自治体のどのような事業が、どのような企業から寄付を集めているのでしょうか。企業版ふるさと納税を集めるためのポイントと、過去の成功事例を3つご紹介します。
どんなプロジェクトに企業は寄付している?企業版ふるさと納税を集めるポイントと3つの事例
企業版ふるさと納税は、企業が自治体の事業を選んで寄付を行うことができる制度です。企業にとっては法人税の節税につながり、地方創生へ貢献できる機会となります。自治体のどのような事業が、どのような企業から寄付を集めているのでしょうか。企業版ふるさと納税を集めるためのポイントと、過去の成功事例を3つご紹介します。

2022年企業版ふるさと納税の実績を分析!寄付が多いパターンは?

2022年の企業版ふるさと納税の実績を見てみると、大きく分けて3パターンの寄付が集まっていることがわかります。

R4企業版ふるさと納税実績ランキング

自治体名寄付額(百万円)
静岡県裾野市1,546
北海道大樹町1,407
宮城県1,268
徳島県神山町1,215
岩手県遠野市1,200
群馬県太田市1,111
群馬県前橋市727
大阪府大阪市692
北海道北広島市654
沖縄県石垣市609
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パターン1:もともと関連のある事業へ寄付

企業がすでに自治体と関連する事業を行っている場合、その自治体へ企業版ふるさと納税を行うケースがあります。 例)実験都市ウーヴン・シティを建設中の裾野市へ、トヨタ自動車やミサワホーム等が寄付を行う
 

パターン2:本社以外の支社や工場等がある自治体へ寄付

企業版ふるさと納税では、企業の本社が属する自治体に寄付を行うことはできません。そのため、支社や工場がある自治体へ寄付を行う企業もあります。 例)製品を製造している工場がある宮城県へ、小林製薬が寄付
 

パターン3:出身地・創業の地などゆかりのある自治体へ寄付

企業の創業の地である自治体や、創業者の出身地である自治体に寄付をするのもよくある事例です。 例)創業の地である前橋市へ、カインズが寄付
 

企業版ふるさと納税の新しいポイント:企業にとってストーリーのあるプロジェクトへの寄付

もともと関連のあるプロジェクトへの寄付や、支社・工場等がある自治体への寄付、ゆかりのある自治体への寄付という3パターンだけでは、企業版ふるさと納税が広がっていくのは難しいかもしれません。企業が新しく寄付先を探すのではなく、すでに関わりのある限られた自治体から選ぶという見方になってしまうからです。 企業版ふるさと納税の制度を積極的に活用していくためには、自治体も企業も新しい視点を持つことが必要です。それは、「企業にとってストーリーのあるプロジェクト・自治体への寄付」を増やすことです。

企業にとってストーリーのあるプロジェクトへの寄付とは

企業にとってストーリーのあるプロジェクトとは、
  • 企業に関連する業界のプロジェクト
  • 企業が理念に共感できるプロジェクト
  • 自治体とのつながり自体が魅力になるプロジェクト などが挙げられます。
過去の実績からも、そのようなプロジェクトには寄付が集まっています。

成功事例1:関連する業界の取り組みとしての寄附の事例 山形県山形市 公民連携による女性人材育成事業

山形市は、資生堂ジャパン株式会社と、社会課題の解決に取り組む株式会社Ridiloverと連携し、公民連携で女性人材育成事業を行いました。山形市で生活する女性が抱える悩みや課題を自ら解決することを目指す探究型プログラムを実施しています。 化粧品などの開発を行う資生堂ジャパンが、女性人材育成事業に寄付をした事例で、令和5年度地方創生応援税制大臣表彰を受賞しています。

成功事例2:未来を変える教育への寄付の事例 徳島県神山町 神山丸ごと高専設立事業

2023年4月開校の「神山まるごと高専」の設立を神山町が支援した事例です。ソフトウェアやAIなどのテクノロジー、デザイン、起業家精神を学ぶことができ、将来を支える人材を育てる高等専門学校です。学校の理念に共感する企業から多額の寄付が集まり、令和4年度地方創生応援税制大臣表彰を受賞しています。 また、寄付金を活用して奨学金制度を整備することで、一期生の授業料無償化を実現しました。

成功事例3:寄付した企業同士のつながりが充実した事例 北海道大樹町 北海道スペースポートプロジェクト

大樹町や地元企業が出資して設立した運営会社とともに、ロケット発射場や滑走路を備えた宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を整備する事業です。
寄付等を通じてつながった80近い企業等をサポーターとして組織し、定期的にプロジェクトの進捗を報告するなど、継続的な関係を構築しています。2020〜2023年度の4年間の累計寄付額は27億7200万円にものぼります。
 

企業版ふるさと納税の可能性を広げるために

企業版ふるさと納税は、地域創生に寄与しながら、企業にとっても税制上のメリットがある制度です。過去の事例を見ても、企業が関係の深い自治体やプロジェクトに寄付する傾向が強いことがわかります。しかし、今後さらに企業版ふるさと納税を活性化させ、企業と自治体のパートナーシップを強化するためには、企業にとって「ストーリーのある」プロジェクトの提案が重要です。
具体的には、企業の理念や社会貢献の方向性に合うプロジェクトや、他の寄付企業とのネットワークを広げることができるプロジェクトが魅力的な選択肢となるかもしれません。こうした新しい視点を取り入れることで、より多くの企業と自治体が共に地域の未来を築いていくことにつながります。

企業版ふるさと納税はバトンパスから!

企業版ふるさと納税に関心を持った方はぜひ、企業版ふるさと納税バトンパスをご覧ください。バトンパスでは、教育に関連する事例などを中心に自治体のプロジェクトを掲載しています。未来を支える子どもたちのために、企業版ふるさと納税を検討してみませんか。
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